個人株主に人気のすかいらーく株。
すかいらーくグループはガストやジャナサン、バーミヤンなど、庶民の味方になるようなレストランを展開しており、
株主(100株~)になれば、株主優待として食事券(優待カード)が貰えます。
株主優待が充実しているので、すかいらーくの株を購入しようと思う人もいるかもしれませんが、今からすかいらーくの株を買うのは良くないと思いますね。
理由としては、
- 新型コロナウイルスによる外部的影響で業績改善に先が見えない
- 業績悪化により、すかいらーくグループの株は配当金が無配になり、株主優待も改悪をしている
- すかいらーくの業績は新型コロナウイルスが治まれば改善されるのかどうかわからない
からです。
ただ、新型コロナウイルスのワクチンが完成して外部的要因がなくなり、業績が回復すると予想するのであれば、逆張り的に購入するのも良いですが、
- 生活様式がコロナ前にすぐ戻るのか?
- ワクチンが完璧に効かないかもしれない?
ということもあり、一向に改善しないリスクもあります。
新型コロナウイルスによる外部的影響で業績改善に先が見えない
すかいらーくグループに限らず、今は新型コロナウイルスの影響を受ける外食産業の株は安易に手を出さない方が良いです。
人が外食をしないので、業績が良くなることは難しく、色々と手を打ってもウイルス次第なところもあります。
これが治まる気配は全くなく、厚生労働省のデータによると今は右肩上がりです。
こんな状態では、飲食店の外食産業は経営的にかなり厳しいと思います。
帝国データバンクによると、2020年の上半期だけでも飲食店の倒産件数は過去最高になっていて、このペースでいくと過去最多の倒産件数になるそうです。
政府も色々な策は練っていますが、最終的には治療薬や予防ワクチンが完成し、世に出回るまでは、業界自体の改善は正直、難しいと思います。
すかいらーく側としては、
- 店舗の縮小
- デリバリーやテイクアウトの拡大
- 通販事業を開始し、既存商品を楽天やアマゾンに出店【2020年11月】2021年には自社サイトに対応(予定)
- 全コスト(投資や生産性など)の見直し
ということをやっていく戦略です。
これらの策が良い方向に動けばいいですが、長いトンネルに突入している感じはします。
業績悪化により、すかいらーくグループの株は配当金が無配になり、株主優待も改悪をしている
業績悪化から、すかいらーくは配当をやめて株主優待も改悪しました。
すかいらーく株は個人その他の保有割合が1位で約75%を占めており、個人投資家に至っては株主優待目的で投資をする人が多く、株主優待が改悪されれば、株価は下落傾向になります。
いくら個人その他の株主の割合が大きいからと言っても、
株主優待の改悪だけで株価が下がるのか?
と思うかもしれませんが、
実際、2020年9月10日に株主優待の改悪が発表された後に、多くの個人投資家(機関含む)が売ってしまったのか、すかいらーくの株は1日で約9.7%も下落しました。Twitter上でも、個人投資家は100株だけ残して売った人が多かった印象です。
9月10日に株主優待の改悪を発表した時の株価は1,684
次の日、9月11日には株価は1,521になりました。
株主優待の改悪は100~299株は約35%減ですが、それ以上の保有だと約50%減です。
優待目的で投資をした人は
とほほ…。
な状態です。
100株~299株はそこまでダメージはありませんが、もっと保有している人は大ダメージですね。
これから更に株主優待が改悪されてしまえば、また株価が下がってしまうかもしれません。
すかいらーく株主構成の詳細
すかいらーく株の株主構成は、個人その他が圧倒的に多いため、個人が投げ売ると株価に大きな影響が出ます。
株主構成としては、
- 個人その他 約75%
- 金融機関 約15%
- その他の国内法人 約4.8%
- 外国人 約4.3%
となっています。
株主構成から見てもわかるように、個人その他の割合が約75%なので、個人その他がある意味、株価を左右する力を持っていると思ってもいいかもしれません。
個人その他がすかいらーくの株を手放し始めたら、危険信号です。約75%の株が一気に動くことはないと思いますが、大きな割合の株が動くことになりますからね。
大株主は下記のとおりです。機関や日銀が多く、海外のJ.P.MORGAN BANKも約1%ほど入っています。
- 日本マスタートラスト信託銀行 3.38%
- 日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口5) 2.3%
- 日本トラスティ・サービス信託銀行 2.29%
- 日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口7) 1.95%
- アサヒビール 1.73%
【2020月11日調べ】
すかいらーくの業績は新型コロナウイルスが治まれば改善されるのか?
今回、すかいらーくの業績悪化は新型コロナウイルスの影響は勿論ありますが、
それがなくなれば業績が上がるのかはわかりません。
すかいらーくは営業利益、EPS(一株利益)ともに2016年12月をピークに右肩下がりです。
このことから
新型コロナウイルスの外部的要因がなくなってもどうなの?
という疑問も残り、投資する側としては1つの懸念材料にはなります。
まとめ:減配。そして、株主優待の改悪。すかいらーくは瀬戸際に立っている。
株主優待をやらなくなったら、キャピタルも大きく狙える銘柄でもないので、手放すことを検討する個人株主も多いと思います。
業績低迷の理由は新型コロナウイルスによる影響が大きく、消費者が外食をしなくなったのが主な原因です。
すかいらーく側もテイクアウトやデリバリーなどの策を練っていますが、新型コロナウイルスが治まらない限りは厳しい展開になると思いますね。(治まったとしても2016年から営業利益、EPSが下がっきているので、微妙かもしれませんが…。)
新型コロナウイルスはまだワクチンも出回らない中、感染拡大中です。
また、すかいらーくは2016年から業績が下落傾向もあり、トータルで考えたら、今からすかいらーくの株を買うのはどうかというところです。
優待目的で逆張り的に購入するのも各々の判断ですが、買うなら余力を残して買うか、ミニ株(単元未満株)で少し様子を見ながら買った方が良いかもしれません。