【体験談】相続放棄の手続きを自分でやってみた感想【注意点も公開】

【体験談】相続放棄の手続きを自分でやってみた感想【注意点も公開】のイメージ 日常生活ネタ
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相続放棄したいんだけど、どうすればいいのかしら…?

相続放棄を検討したときに、素直にそう思いますよね。

私の場合は専門家に頼まずに自力でやりましたが、手続きとしてはそこまで難しくはありません。

ただ、実際にやってみた感想としては、

デメ男
デメ男

相続放棄がちゃんと受理されるのか?

という心労だけが溜まりました。

相続放棄のやり方は、関係書類を被相続人が最後に住んでいた住所地にある家庭裁判所に出すだけです。

関係書類がそもそもわからないと思いますが、用意する関係書類は裁判所のホームページに載っています。

私が実際に用意した書類は下記の通りです。(配偶者、第1順位の相続人の場合)

  • 被相続人(亡くなった人)の戸籍の附票【住民票除票でも可】
  • 被相続人(亡くなった人)の戸籍謄本【出生から死亡記載のあるモノ】
  • 相続放棄申述書(相続放棄をする人の申述書)【裁判所ホームページからダウンロード可能】
  • 相続放棄をする人の戸籍謄本
  • 印紙代(1人800円)【相続放棄申述書に貼る】
  • 切手代(1人84円×5枚、10円×5枚)【家庭裁判所で使う】

(※第2と第3順位は必要書類が追加で変わります)

流れとしては、

関係書類を家庭裁判所に送ります。

後日、照会書が来るので、それに必要事項を記入して再度、家庭裁判所に送り返します。

家庭裁判所の照会書照会書

数日したら相続放棄申述受理通知書が来るので、その書類が来たら、めでたく相続放棄が決定です。

家庭裁判所の相続放棄申述受理通知書相続放棄申述受理通知書

ただ、自分で相続放棄の手続きをしたのでわかりますが、いくつか注意点もあり、自分でやる際は慎重にならなければいけないところも出てきますね。

何を気をつければいいのかは、

  1. 本当に相続放棄するのか確認すること
  2. 相続放棄の期限が決まっており、申請は1度だけしか出来ないので、不備のないようにすること

の2点です。

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体験したからわかる相続放棄で注意すること

相続放棄が成立すると、資産も負債も一切受け継がないということになるので、放棄前には、なるべく被相続人の資産を把握する必要があります。

一度、相続放棄をしてしまうと、後からプラスの資産が出てきても、それを相続することは出来ません。

また、相続放棄が出来る期間は自分が相続人と知った3ヶ月以内までで、1回の申請しか認められていません。

書類に不備があったり、家庭裁判所に却下されれば相続放棄は出来ませんし、再申請も不可能になります。

却下されてしまうと、被相続人に借金がある場合は借金を相続することになるので、しっかりとやらなければいけません。

相続放棄を検討する

相続の問題はそれぞれ家庭環境によって変わってくるので、何とも言えないところもありますが、

被相続人に資産がなく、負債(借金)の方が多い場合は相続放棄の方が有利になります。

限定承認という一部の資産と負債を引き継ぐやり方もありますが、そこもどんな資産と負債を引き継ぐか、考える必要も出てきます。

弁護士の知人に聞いたところ、資産と負債を調べるのは、意外と手間や時間がかかるそうです。

結果的に被相続人(亡くなった人)がどういう人かにもよりますが、

やんちゃboy
やんちゃboy

宵越しの金は持たねぇぜ…。借金とかしてもビビんねぇ~しっ!

という人格者だった場合は、注意した方がいいです。

…いや、注意というか負債しか持っていない可能性がありますね。

申請は1度きりなので、自分でやる際は家庭裁判所に確認を

相続放棄は1度きりの申請しか出来ないので、間違いがないように動かなくてはいけません。

自分でやる際は、家庭裁判所に提出先として合っているのかを確認する必要があります。

間違っていたら提出しても意味がありませんからね。

提出先の家庭裁判所は裁判所のホームページから、その地域の管轄かどうかを検索すればわかります。

連絡先は家庭裁判所でも家事受付係です。

郵送で相続放棄をするときは、家庭裁判所によって用意する切手の値段が違うこともあるので、そこも聞いた方が間違いもなく、スムーズに相続放棄が進められます。

あとは必要書類があってるのかどうかも、聞いたら教えてくれますよ。

相続放棄申述書を実際どのように記入したのか?

相続放棄をするときに、私自身が実際にどのように申述書を記入したのか?

記入例は裁判所のホームページにもありますが、参考までに載せておきます。

申述書は20歳以上の人の記入例になります。(20歳未満の記入例も裁判所のホームページにあります。)

まず初めの1ページ目のところは、

相続放棄申述書1ページ目出典:相続放棄申述書20歳以上の人の記入例、裁判所のホームページより一部抜粋

となっており、

  1. 申述書を申請する裁判所名と書類作成日
  2. 申述人の氏名と印鑑
  3. 提出添付書類のチェック
  4. 申述人の住所や連絡先、被相続人(亡くなった人)との関係性などを記入
  5. 被相続人(亡くなった人)について記入

となっています。

提出する添付書類は同一のモノなら一通で問題ありません。

私の場合は、母親(配偶者)、兄、私とまとめて全員の申述書を封筒に入れて相続放棄を申請したので、

  • 被相続人(亡くなった人)の戸籍の附票
  • 被相続人(亡くなった人)の戸籍謄本

は人数分ではなく、各1枚だけで足りました。

※配偶者と第一相続人はまとめて相続放棄を申請できますが、第二相続人からは上の順位の人の相続放棄が成立してから相続放棄をすることが出来ます。よって、配偶者と第一相続人と一緒に第二、第三相続人の人はまとめて相続放棄をすることは出来ません。(家庭裁判所家事受付係にて確認【2020年11月時点】)

また、故人の死亡日は自分たちが把握している日時と違うこともあるので、被相続人(亡くなった人)の戸籍謄本【出生から死亡記載のあるモノ】の死亡日を見て記入して下さい。

続いて2ページ目です。

こちらも記入例は裁判所のホームページにありますが、相続を知った日や相続放棄をする理由など、人によって多少記入が異なります。

相続放棄申述書2ページ目出典:相続放棄申述書20歳以上の人の記入例、裁判所のホームページより一部抜粋

記入するところは、

  1. 相続の開始を知った日
  2. 放棄の理由
  3. 相続財産の概略

です。

相続を知った日は被相続人が亡くなった日にちでも問題ありません。実際に死亡を知った日でも大丈夫です。自分に相続の権利があると分かった時点の日にちで良いと思います。

2ページ目の記入欄にて、相続放棄の理由を私は6の『その他』にして、

デメ男
デメ男

借金が有りそうだから

と書こうと思いましたが、無難に2の『生活が安定している』にしました。

相続財産の概略は被相続人と疎遠だったため全く把握していませんでした。

よって、全部0で記入しました。(記入時の時に把握している状態で問題ないようです。わからなければ『不明』でも問題ありません。)

申述書が通れば、照会書が来ます。

照会書には、被相続人の死亡日や把握している相続内容(財産)などについて書くところがあるので、申述書のコピーを持っておいた方が良いです。

そうすることで、

死亡日いつだったっけ?

財産の内容、どうだったかな?

という疑問が起きても、申述書のコピーがあれば時間を掛けずに、すぐに照会書に必要事項を記入することが可能になります。(私は死亡日を忘れて、記入に少し手間取りました…。)

人によって一番大変なのは戸籍関係書類の取得

相続放棄で一番大変なところは、戸籍謄本の取得です。

被相続人の本籍地や最後の住所地を把握しているのであれば、何ら問題はありませんが、

疎遠で情報がない場合だと、役所に確認する手間と時間が取られます。

調べ方としては、自分の戸籍や住民票から遡り、被相続人につながるまでの戸籍を調べる作業がどうしても必要です。

役所に行けば色々と教えてくれますが、1つの役所ですべてを管理している訳ではないので、また別の役所に連絡することもあります。

この作業が大変なので、人によっては専門家に頼むということをしているのだと思いますね。

また、死亡届が反映されるまでは時間が掛かるので、すぐに戸籍謄本の記録には反映されません。

ネット上では7日~10日かかると書いてあったので、余裕を持って私は14日後に被相続人の戸籍謄本を取りに行きました。

すぐ取りに行って、死亡が反映されていなかったら、戸籍謄本を取っても意味がないので、反映されるまでは取りに行かない方がいいですね。

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裁判所の手続きも時間がかかるため、早めに対応しなければいけない

相続放棄は家庭裁判所に関係書類を送って、すぐに受理されればいいですが、向こうも審査や手続きがあるので、時間はかかります。

相続放棄の期間も決まっているので、余裕を持って手続きをした方がいいです。

私の場合は、

10月16日(金)に郵便局に書類提出

10月28日(水)に家庭裁判所から返信が来ました【照会書同封】

その日に照会書を記入し、裁判所に送り返し、

11月7日(土)に受理されたという相続放棄申述受理通知書が届きました。

家庭裁判所とのやりとりだけで、約4週間の時間を使いました。切手は全部使わなかったようです。84円×3で252円でしたね。使っていない218円分は返ってきました。(人によって全部使うのかは謎です)

家庭裁判所の切手返信家庭裁判所からの切手の返信

照会書の印鑑は相続放棄申述書と同じモノを使うので、覚えておいた方が良いです。照会書の記入事項は、相続放棄申述書とほぼ変わらない内容なので、簡単に書けます。

提出期限もあるので、気をつけましょう。

相続放棄後に債権者が来たら…

相続放棄後に、もし債権者(お金を貸している人)が、

やんちゃboy
やんちゃboy

ごら~。金返せやっ~!

と来たときに、

この相続放棄申述受理通知書のコピーでも見せて、

デメ男
デメ男

相続放棄をした。

と言えば、大抵引き下がるそうです。(コピーを見せるのは、相続放棄申述受理通知書が再発行して貰えず、破られたら大変なことになるため)

中には、駄々をこねて

やんちゃboy
やんちゃboy

証明書をよこせやっ!

という人もいます。

その場合は、書類を提出した家庭裁判所に『受理証明書』を申請して、後日それを渡せば大丈夫です。(ハンコは相続放棄申述書に使用した同一のモノを使います。)

向こうがどんなに駄々をこねても、裁判所からの証明書があれば、何もやりようがありません。

『受理証明書』は収入印紙代が150円ほどかかります。郵送なら返信用封筒含めた切手代がかかります。

まとめ:素人が専門家に頼らず調べて行動すると意外と大変です。人によっては専門家に頼む方法も有り

普通のサラリーマンが相続放棄を自分でやってみました。

相続放棄で一番大変なのは戸籍謄本の取得です。亡くなった人も含め、家庭環境にもよりますが、全部を揃えるのに時間と手間がかかる場合があります。

そして、何より0から色々調べるので、忙しい人や被相続人と疎遠で情報が何もなければ大変な作業になるかもしれません。

場合によっては専門家に頼んだ方が、何かとラクなこともありますね。

忙しくて時間がない人は、料金との兼ね合いもありますが、直接頼んでみるのも1つの方法です。

勿論、こういう場合も見積もりは数社した方が、選択肢が出来て良いと思います。

自分で行う際は、私の記事を参考にしてみてください。

放棄成立後に被相続人(亡くなった人)の親や兄弟が生存しているのであれば、相続権利が移るので知らせた方が親切だと思います。

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