知人とオフショア投資の話をしているときに富裕層の間ではどんな投資が流行っているのか聞いてみたところ、アンティークコインが流行っているそうです。
どういったものなのか、とりあえず本で学んでみようと思い、加治将一氏の『カネはアンティークコインにぶちこめ!』を読んでみました。
アンティークコインの値上がり
アンティークコインは基本的に金や銀で出来ているモノが多く、歴史的価値や希少性により価格上昇が見込まれる現物投資です。
ポケットに入れて持ち運びも可能で戦争時にはアンティークコインを持って他国に逃げても、いざという時に換金出来る用途もあったようです。
持ち運びやすいということは、盗難リスクも付きまといます。高額のコインを所有する際は、貸金庫かなにかで保管する必要性が出てきそうです。
本書では値上がり幅を解説し、アンティークコインは経済が悪くなっても順調に値上がりしていることを指摘しています。
アンティークコインは10年間でリーマンショックの影響を受けずに、2004~2014年で+227%と指摘しています。因みにクラッシック・カーは+456%、切手は+250%です。リターンだけ見たらクラッシック・カーの方が投資としていいんじゃないかと思いましたが、管理のしやすさや持ち運びがラクという点でアンティークコイン押しです。
海外ではアンティークコインの投資が富裕層の間では盛んに行われているそうです。
富裕層は国の紙幣を信用しきっていないため、資産の分散として持っているとも言っています。
他の投資をディスる
アンティークコインについて書いてある本なので、株や不動産などの投資はやめた方が良いと著者は経験や知識から説いています。
ただ、投資をするリスクはどの投資にもついて回るので、アンティークコインだけがリスクが少なくて良いと言う訳ではないと思います。
タイトルで『ぶちこめ!』とあるので、アンティークコイン押しなのは仕方ないですね。
少額からでも可能?
アンティークコインは少額から購入は可能です。
数万円から買えるコインもありますし、それ以下のコインもあります。
少額のコインはそれだけ人気がなく希少性がないため、今後価値が上がっていくかはわかりません。
著者は少額から買うなら1万円ぐらいのコインを集めてからそれらを売却し、売却した資金で次に10万円ぐらいのコインを買っていく、ある程度の枚数を集めたら次も同じ様にコインを売却し、その資金で100万円のコインとステップアップするようなやり方を述べていました。
高額のアンティークコインを買えない人はそういった流れでアンティークコインの資産形成をしていく感じですね。
良いコインに出会わなければ意味がない
少額からコインを買ってステップアップしてもコイン事態にレア度がなければ、そんなに値段は上がりませんし、元本割れもします。
アンティークコイン業者ではないブログの中には少額のアンティークコインを買って、売却したときには元本割れしてしまったという例がありました。
必ずしも値上がりはしませんし、損もすることもあるようです。
本書に書いてある通りにレアなアンティークコインに出会えればそれなりに値上がりは見込めそうです。
但し、素人にはどのコインが上がっていくのかはわかりにくいです。
まとめ
本を読んだ感じだとアンティークコインの売買は信頼できる業者経由でやった方が何かと良い気がします。
手数料は取られますが、売買するのも個人でやるよりは簡単ですし、贋作を掴まされたりする確率も下げてくれます。
また、どのコインが将来的に良いのか、やはり業者の方が専門知識があるのでわかると思います。
アンティークコインに詳しい業者を探すのも大変そうですが…。結論から言って、配当メインで投資をしている私のような弱小投資家は手を出しにくい投資案件ですね。
アンティークコイン投資は出口戦略も非常に大事です。いつ現金化するのか?現金化しないで子供に託していくのか?現金化するにもインターネットか、オークションなのか?など色々と考えなければいけない点も出てきます。
それらの点をクリアにして、今現在それなりの資産が既にあり、将来の値上がりの差益が欲しくて、業者も知っているならば現物投資として有りかなと個人的には思いました。