保険信者の多い日本では、いくら保険について勉強して、友人や身内に
保険は商品によって、不要な部分もあるし、保険での運用(個人年金保険、学資保険)は効率が悪いよ。
と言っても、返ってくるリアクションは,
スルー気味の
ふーん
このリアクションをくらって歯がゆい思いをした人は多いと思います。
そこで、そんな思いをしなくて済むように保険の話になったら『いらない保険』の本を紹介すればいいです。
この本を読めば、何より保険について、その人の知識にもなりますし、スルーされる心配もなくなります。
本を書いた人はどんな人たち?
そもそも、この本を書いた人は誰なのか。まぁ、私ではないことは確かですが、ちゃんと保険業界にいる人が書いています。
後田 亨(うしろだ とおる)さんは保険会社に勤めた後に、保険を売る側と買う側の問題に着目して、その違和感から独立して保険相談をやっています。
共著した、永田 宏(ながた ひろし)さんは医療情報の分析も行う専門家で、医療保険の必要性を研究している方です。
そんな2人がタッグを組んで書いた本です。
人生100年時代到来は現実味を帯びてきているのか!?
2017年辺りから厚労省でも『人生100年時代』というフレーズが頻繁に出てくるようになりました。
いや、ムリムリ…。100歳越えなんて想像もつかないよ。国が年金支給を先延ばしにするために言ってるだけでしょ?
と思ったのは私だけではないはず…。
しかし、この本ではしっかりとデータと計算式を考慮して述べています。
1981年生まれの私も約25%の確率で100歳以上に到達です。(あと、何年働けばいいのか…。)
そんなことよりも、私の娘や息子は老後100歳が当たり前の時代になっているかもしれません。
そんな100年時代になっていくに連れて、『医療の終身保険』の必要性が今後もあるのかどうかを本書では説いています。
民間や共済の医療保険よりも、保険制度を深く知っている人が、国の健康保険が最強という理由
健康保険の最強説はここから始まったのかというぐらい健康保険推しです。
確かに、割引率が多く病院の金銭的負担も軽減してくれるので、その通りだと思いますが、そのことを当たり前になりすぎて、気づかない人が多いのかもしれませんね…。
本書に書いてある『民間や共済の医療保険は陳腐化していく』という部分は妙に納得しました。
医療保険の内容は契約時と変わりませんが、医療は進化しています。
今後、さらに新しい手術(血管カテーテルや内視鏡手術)、薬療法が進み、契約したときの古い医療保障が対応できないのではないのか?
という疑問が沸きます。
つまりは新しい手術が追加されたときに各保険会社の昔契約した医療保障が、それを追加していくのかということです。
それらの件についても書いてあるので、医療保障の必要性を再確認出来ます。
健康保険では、新しい手術や薬療法が出れば、その都度安全性を確認して追加をしていきます。
ある意味、自動更新型の保険で、どの病院でも割引が使えます。これが最強と言われる由縁ですね。(一部、健康保険が使えない治療もあります。)
保険での運用や貯蓄は…。効率が悪い?
保険で個人年金、学資保険の運用をしている人は多いと思います。
実は保険での資産運用は、保険会社が仲介している分、人件費や維持費を取られています。
意外と知らない人が多いですが、事実です。
本書でも言っていますが、私も保険会社に勤めている人に聞いたら、
皆さんの保険料で投資(運用)しています
と言っていましたね。
保険料がどのように分けられるていくのか、仕組みを知ることも大切です。
保険会社ではなく、自分が直接証券会社から投資(運用)した方が、実は効率が良いのかもしれませんね。
ガン保険や特約の先進医療に加入する前に、社会保険にはどのようなものがあるのか、また医療の仕組みを把握する
民間のガン保険や付属で付く先進医療費を検討するにあたり、その前に日本の社会保険の保障を把握することが大切と述べています。
よくCMで、ガン保険のことや働けなくなった時のための保険のことなどが流れていますが、それらを真に受けずに一度冷静になって考えてみては?と投げかけています。
一部対象ではない病気やケガもありますが、社会保険の高額医療制度や傷病手当金などを利用できる人なら、そこまで不安になることもないと思います。
まずはこれらを把握し、余計な保険は入らないようにすることが大切です。
保険会社の人も、あまり社会保険制度については教えてくれない、または知らない人も多いので、この辺りは勉強しておいても損はないと思います。
後はガン保険、先進医療の実態を違う角度からみているので、そこも知っておいてもいいですね。
介護保険は入るべきか?否か?
誰もが心配する自分やパートナーに対しての介護問題。
自分が介護状態になったとき、不安なのは金銭的な部分が大きいと思います。
- 一体、いくらかかるのか?
- 介護期間はどれくらいか?
これらのヒントになることも書いてあります。
民間や共済の介護保険は結局いるのか、いらないのかは人によって変わると思いますが、
読んだ感じだと、サラリーマンの私には国の介護保険制度(40歳から加入する)で十分かなと思います。
保険貧乏にならないための対策
結構、この言葉はよく聞きます。保険貧乏。
保険貧乏とは保険に入りすぎてしまい、家計を圧迫している人ですね。私の会社にもいます。(社長ですが…笑)
不安を解消するために、ドンドン保険に入ってしまうようです。
社長のようにお金がある人ならいいかもしれませんが、庶民はやっぱり保険貧乏は避けなければいけませんね。
そこは、保険の在り方を自分で学ぶ必要があると思います。
この本にも、保険の在り方を見るポイントを書いてあるので、そこを抑えれば『脱っ!!保険貧乏!!』ですね。
将来の年金対策は保険ではなく…やはり個人で出来る投資になる?
自身の年金対策は、民間や共済の保険で用意するのは効率が悪いというか、やめた方がいいのでは?と説いています。
私もその意見には賛成です。
対策としては、
- 確定拠出年金
- つみたてNISA
- 個人向け国際(変動10年)
を掲げ
民間では唯一、明治安田の『じぶんの積立』(いつ解約しても元本割れはしないため)が入っていました。
投資はちょっと…。と言う人には明治安田の『じぶんの積立』がいいかもしれませんね。因みに、この保険を会社の昼休みに明治安田の社員が来て進められましたが、断りました。
運用と保険は分けて考えていますし、投資を趣味にしていると、10年後に3%の利回りは微妙です。元本が確保されているとはいえ、保険会社を通して投資するより、自分で投資した方が効率はいいです。
年末調整で行われる保険の控除も出来ますが、それを踏まえたとしても、私には魅力がある商品ではありませんでした。
まとめ
最終的には、保険はどうするのか?『いらない保険』だから保険は入らないでいいの?…とは、なりません。
しっかりと保険について、検討の仕方を考えて、ちゃんとわかりやすく書いてあります。
自分で保険を選ぶ際に大変参考になる本です。保険は不要の事態に備えるモノという思考は忘れずに、子ども達が大きくなったら教えたいと思います。
保険の相談員についてもふれています。まさに保険の裏側を暴露している感じの本です。
- 子どもが生まれる前に学資保険を考えている人
- ライフスタイルが変わった人(結婚や子どもの独立など)
- 社会人デビューして保険を検討している人(若い20代~)
- 将来の備えを何かしらの保険で対策しようとしている人
- 保険貧乏だと思う人、または保険貧乏になりそうな人
は、特にこの『いらない保険』の本を読んでみてくださいね。